みなさん、せわしかったですか?
そうでもなかったですか?

年をまたぐというのは、ある意味ミラクル。生きて1年を過ごせたってことなのだから。

それにしても日本の年末年始は、宗教的に特殊で面白い。
いろんな神様が登場するし。

クリスマスはもとはローマのサートゥルナリアという農神祭が起源で、そこにキリスト教が乗っかって、現在では実に賑やかなお祭りだ(もちろん、しめやかに過ごす人々もいる)。

日本のクリスマスは家族で過ごすもよし、友人や恋人と過ごすもよし、とりあえずキラキラしたイルミネーションがそこかしこに出現して、お祭り気分を盛り上げる。

そんなクリスマスイヴが終わった時、私が12月で一番好きな瞬間が訪れる。

イヴが終わったとたん、本来の25日の神聖なクリスマスも忘れて、日本中が一気に年越しモードに突入するのだ。

日本人の変わり身の早さったら実に気持ちいい。
世間が一瞬で年越しの準備を始める。
八百万モードである。

スーパーやデパート、小さな店もクリスマス要素は全てはぎとられ、いっきにお正月アイテムが勢揃いする。

おせちの手配、お餅の予約、注連飾りの購入、年越しそばの用意…。

この八百万モードの方が日本人にしっくりくると思う。
良くも悪くもキリスト教をさっぱり忘れる多くの日本人が潔く、小気味いいと思うのは私だけだろうか。

お正月は基本的に楽しいものだ。
家族と過ごすのがメインだし。
ご馳走にお年玉、ちょっとうっとうしい場合もあるけれど、日頃会えない親戚達や友人との交流もとても賑やかだ。

去りゆく年を反省しつつ、年のあらたまった新鮮さにワクワクする。
自分なりに抱負も持ったりして。

そして元朝参り。
偶像ではない日本の神様にご挨拶。
天照大御神と書かれた神宮大麻をいただいて、破魔矢をぶんぶん振り回す。

毎年恒例なのだが、神社のピンとした空気に触れて、厳かな気持ちになる。
嗚呼、日本人でよかったなあと思う。

ちなみに年末の神棚掃除は、家業が繁忙期の夫が不在なので、私と娘でやる。
手をよく洗って清め、マスクをしてとりかかる。
天照大御神は女神様なので本当は男性が掃除する方がお喜びになると思うのだが、致し方ない。

こうしてピカピカになった神棚に、酒、塩、米、水をセッティングした時の晴れやかさ。
そこに新しい神様なるものを迎え入れる。
これが我が家のお正月だ。

するとつい今しがた「今年」だったはずの時間が「去年」になって、悲喜こもごもを連れて遠くへ去っていく感覚がする。
とても清々しい。
このとき、年末年始のドタバタが全て報われる感じがするのだ。

みなさんはどんなお正月を迎えていますか?

公私ともに忙しいまんなか世代のみなさんにとって、今年がよりよい年でありますように!