今回は、エキナセアというハーブを使って内用(飲用)のチンキを作ります。最近、サプリメントなどでもおなじみになりつつあるハーブです。

エキナセアは北米原産のキク科の植物で、免疫力を高めるハーブとして知られています。ヒトは長い歴史と経験から植物が持つ薬理作用を自然と知り、植物を薬の代わりに利用してきました。エキナセアは元々、北米の先住民族が伝染病にかかったときや虫さされなどに用いていましたが、17世紀にヨーロッパにもたらされました。

エキナセアには、白血球が外敵(ウイルスや細菌)と闘う働きを高める成分が含まれているため、風邪の初期症状のときや感染症予防に役立ちます。エキナセアの場合は毎日飲むよりも、一定期間(約8週間)服用するのが効果的です。

私も風邪の引き始めにはエキナセアのチンキを2時間おきに飲み、ゆっくりと横になって休むようにしています(横になるのがポイント)。本格的に悪化してしまう前にこうした処置をすることで寝込まずに済み、翌日も普段どおりに仕事ができて助かっています。

グリセリンで希釈したチンキやカプセル状のサプリメントがハーブ専門店などで売られていますが、チンキは家庭でも簡単に作れます。以前は私も市販のチンキを飲んでいましたが、作り方を覚えてからは自家製のものを使っています。市販のチンキはだいたい2,000円以上ですが、自家製だとハーブ20gでも400円程度。それにウォッカ750mlを2,000円以内で買ったとして、1回あたり100mlくらいしか使わないので300円程度で済んでしまいます。

味が気に入らない(ほとんどウォッカ味ですが)とか、効果がなかったりしても、作って損することもない代物ですので、気軽にお試しになってみてはいかがでしょうか。飲用がNGでも、精油と水を加えてローションに作り替えもできます。

◎エキナセアのチンキ(内用)

広口のガラスビン(100mlが収まるサイズ)
エキナセア 10g
アルコール度数40度以上のウォッカ 100ml
コーヒーフィルター
保存用ガラスビン(ガラス製スポイト付きのもの)

① ガラスビンは煮沸消毒しておきます。
② エキナセアをビンに入れ、ウォッカを注ぎます。
③ 日付を書いた付箋を付けて、日の当たる場所に2週間置いておきます。

こんな具合に「2週間後の日付」を入れておくと忘れにくいですよ。

こんな具合に「2週間後の日付」を入れておくと忘れにくいですよ。

④ 毎日1回、ビンを振って全体をなじませます。
⑤ 2週間後、コーヒーフィルターで漉し、保存用ガラスビンに移して冷蔵庫で保存します。1年以内に使い切ります。

よく振ってから、スポイトで10〜15滴を水かお湯で薄めて飲みます。

注意していただきたいのは、ハーブは薬やお医者さんの代わりにはならないということです。ハーブは病気の予防や初期症状のときに役立ちますが、自力では治らない状態になってしまわないよう、薬を飲んだり病院に行ったりするタイミングを見誤らないようにすることが大切です。

◎エキナセアのプロフィール

キク科。原産地は北米。和名の「ムラサキバレンギク」のとおり、紫色の花をつける。種類が多く、主に4種類がメディカルハーブとして使われている。高品質なのは、開花したばかりのタイミングで採取されたもの。
免疫系を活性化させる働きがあるため、風邪やインフルエンザの予防、治りにくい傷に役立つ。

禁忌:膠原病、リウマチ、自己免疫疾患、キク科アレルギー

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