「40過ぎたらねぇ、子宮に気をつけなきゃダメだよぉ〜」

ママ友の言葉が妙に耳に残り、冬近づくうららかな秋の日、私はカジュアルに婦人科に出掛けて行きました、とさ!

カジュアルに、とはいえ、その境地に至るまでは婦人科に行くことは憂鬱以外の何者でもありませんでした。女性にとってはデリケートな診察になることがわかりきっているからです。
やっぱり婦人科行こうなどと、考えないことにしようとさえ思っていました。

「40過ぎたらねぇ、子宮に気をつけなきゃダメだよぉ〜」

しかし、どこからともなくママ友のささやきが聞こえてきたのです。

何かの虫の知らせかもしれない。
そう思った私は真剣に考え始めました。そう、婦人科の内診やらなにやらを。そして考え疲れた挙句、思考を180度転換し、自分をだましてカジュアルに行く、と決めたのです。

そこからは早かった。車を飛ばして総合病院の婦人科へ。
どこ訛りかわからないイントネーションで話す主治医に、「生理が不順、かつ、出血も止まらなくて、いつも生理みたいな状態です」と相談し、とりあえず子宮ガン検診のため細胞を採取しました。
下腹部に検査後のいや〜な違和感を感じながらも帰宅。

それから2週間後、結果を聞きにまた病院へ軽快に車を飛ばして行きました。

「ちょっとひっかかっちゃいましたね、細胞を採ってよく調べてみようね」
どこ訛りかわからない主治医がさらりと言いました。

はぁっ!?
頭の中が真っ白になりました。

明らかに動揺した私は「ど、どどういうことですか?」と質問しました。
どうやら、子宮内膜増殖症の疑いあり、ということでした。
また主治医は、「怖くなるからググらないでね」と言いました。

いや、ググるだろ…。

前回より更に多い細胞を採取する痛い検査を終え、よろめきながら帰途に着いた私でした。

子宮内膜増殖症。
子宮の内膜が過剰に生成され、次々と剥がれ落ちていく症状。つまり、生理が止まらなくなる。
異型細胞が多い場合、子宮体ガンに移行する可能性あり。

それから結果を聞くまでの日々は、もうよく覚えていません。不安で確か夫に八つ当たりしたような…。
しまいには納豆の味もよくわからなくなりました。

そして結果を聞く日。
真っ暗な顔で診察室に入っていくと、どこ訛りかわからない主治医が「たいしたことなかったです。ちょっと変な細胞が多かったぐらいかな、大丈夫です」と。

それを聞いた私は、大丈夫じゃないですよね、異型細胞が多いっていうことですよね、実際に生理が止まらないんですよ、怖いですよね、子宮体ガンになったらどうするんですか…とネチネチ訴えまくった。
あまりよく覚えてないけれど、しばらく話し合った後、主治医とある着地点を見出しました。

予防的措置をする。

つまり、将来のガン化を避ける為に、子宮内膜を全掻爬するオペをすることでした。
しかもこのオペは、一泊二日の入院でいいということです。

不安がないと言ったら嘘になります。というか不安だらけです。前向きなオペの決断だったけれど、やはりこわい。

「アンジェリーナ・ジョリーもガン回避のために乳房切除したじゃん」
姉なりの励ましでした。

「そう、私は今年の締めくくりに?子宮を一度キレイにしてもらうのだ…!」

だんだん前向きになってきた私は今テキパキと入院準備中です。

それにしても、子宮内膜増殖症が早期発見できて良かったです。
もしこのまま生理不順で片付けていたら、子宮体ガンの危険性が高まっていたのですから。
子宮に気をつけてと囁いてくれたママ友にも感謝です。

みなさんも、
40代過ぎたら、子宮に気をつけた方がいいですよぉ〜!

ちなみに、電子カルテがちらと見えたのですが、子宮内膜増殖症の疑い、の隣に「高エストロゲン状態」とありました。

エストロゲンは女性ホルモン。

あごひげがサワサワ生えちゃうジジイな私の子宮は、意外にも女性ホルモンがフルスロットルだということにポカンとしました。