今回は、外出時でも手軽に行える便利な芳香浴をご紹介します。第1回の最後に触れましたが、ティッシュペーパーやコットンパフに精油を滴下してハンカチに包んで持ち歩く方法があります。名付けて、「ポータブル芳香浴」。最近はアロマペンダントなどが売られていますね。香りをもっと身近な存在にしたいと感じている人が増えているのかもしれません。
「ポータブル芳香浴」はとても簡単。その日の気分に合った精油をコットンに1滴落としてハンカチに包んでバッグにしのばせるだけです。バッグを開いたときに、さりげない自然な香りがふわりと広がるなんて、とてもおしゃれです。人混みの中でそっとハンカチを鼻元に近づければ、いやな匂いのストレスからも逃れられますし、秋から冬は風邪の予防にも役立ちます。ちなみに、私はミサンガの紐に1〜2滴精油を落とすことがありますが、手首の動きと同時に香りが舞う感じが好きです。
さて、このポータブル芳香浴には意外なおもしろさがあります。私はよく、夫が出かけるときに今日の気分を聞いて、精油を選んでコットンに落として渡します。「疲れているからエネルギーが沸くようなのがいい」という日もあれば、「フランキンセンスにして」と具体的に精油を指定される日もあります。こういうちょっとした会話から、相手の心身のコンディションや香りの好みがわかるのはなかなかおもしろいものです。人の「味の好み」は知っていても、「香りの好み」を知る機会はめったにないのではないでしょうか。実際、私は夫がフランキンセンス好きだということをこうして知りました。香りを通したちょっとした会話から、相手を理解し、会話が弾む。アロマテラピーにはそんな楽しさもあります。
もう1つ便利なポータブル芳香浴として、エアフレッシュナーをご紹介します。水、無水エタノール、精油を混ぜてスプレーボトルに入れておくだけで使える優れモノです。リフレッシュやリラックス、空気清浄など、目的に応じて精油の種類を変えて作ることができます。
レシピ
水(精製水または軟水のミネラルウォーター) | 20ml |
無水エタノール | 5ml |
精油 | |
レモン | 2滴 |
ユーカリプタス | 2滴 |
ティートリー | 1滴 |
容量30mlのスプレーボトル(できればガラス製の遮光瓶) | |
ビーカー(なければ、計量カップ、計量スプーンで代用可能) |
① 無水エタノール5mlを計って、スプレーボトルに入れます。
② 精油5滴をスプレーボトルに入れて軽く振って混ぜます。
③ ②の中に水20mlを加えてからフタを閉めてよく振ります。
よく振ってからスプレーします。1週間くらいで使い切りましょう。
精油のプロフィール
今回は、殺菌・消毒作用に優れ、風邪やインフルエンザの予防にも役立つ精油を使いました。
・レモン —— フレッシュで弾けるようなレモンそのものの香り。殺菌、消毒作用に優れ、空気清浄にも有効
・ユーカリプタス —— メンソレータムを思い出させるすーっとした香り。強力な抗ウイルス、殺菌作用。特に呼吸器系のトラブルに役立つ
・ティートリー —— やや薬っぽさを感じさせるフレッシュでグリーンな香り。抗ウイルス、消毒、殺菌作用に優れる。免疫力を高めるともいわれている
ご紹介したレシピでは、エアフレッシュナー全体量(25ml)に対して精油の濃度を1%にしています。濃度が高ければいいというものでもなく、高濃度だと刺激が強すぎたり、気分が悪くなったりするなど、逆効果になってしまうこともあるので気をつけましょう。
精油使用時の注意
精油は原液では使用できません。万一、原液が肌に付いた場合は流水でよく洗い流してください。