久しぶりのコラムです。サボっている間に、すっかり花見の季節になってしまいました…。
今回は、ビターオレンジという植物から採れる精油を紹介します。
ビターオレンジは、オレンジスイート、レモン、マンダリンなどと同じミカン科の植物です。柑橘類の精油は、その多くが果皮から圧搾法で採取されたものですが、ビターオレンジの場合は花からネロリ、枝葉からプチグレンという精油が採れます。レモンやオレンジなどは柑橘らしいフレッシュなシトラスの香りが特徴ですが、ネロリとプチグレンはこれとは違うイメージです。
ネロリの香りは格調高い花のイメージです。甘過ぎず少しだけオリエンタルなニュアンスも感じられ、ローズとはまた違った魅力で多くの人を引きつけます。スキンケアではアンチエイジングによいとされています。ただ、収油率(一定量に対して採取できる精油の量)が低いため、1ml(20滴相当)当たり2,000〜4,000円前後と高級です。
一方、プチグレンは1ml当たり200〜400円くらいと、ネロリの10分の1程度で手に入りやすい価格帯です。香りの特徴は、土や根のイメージ。私は、初めてこの香りを嗅いだときに「ゴボウだ!」と思いました。私の個人的な感覚ですが、何かなつかしさみたいなものも感じられます。それでもやはり、元々は同じビターオレンジから採れるとあって、プチグレンにはネロリの面影があります。
土や根のような香りは、気ぜわしいときときに気持ちを落ち着かせてくれます。実際、プチグレンには、ラベンダーにも多く含まれている酢酸リナリルとリナロールという鎮静作用のある成分が含まれています。単体で使うときは、芳香浴やバスソルトがオススメです。
さて、ネロリとはいわば兄弟(姉妹?)ともいえるプチグレンですが、ブレンド次第ではネロリのような香りを作り出すことができます。もちろん完全に同じようにはいきませんが、ネロリの持つ澄んだ甘さと華やかさを想起させるブレンドに仕上がります。
今回は、ネロリもどきのブレンドレシピのほかに、プチグレンと意外に相性のいいフランキンセンスを合わせて男性向きのブレンドを紹介します。
◎ ブレンドレシピその1
ネロリの化学成分に着目して実験(?)したときにできたブレンドレシピです。
プチグレン、レモン、ゼラニウム、ブラックペッパー、ラベンダー各1滴 |
使い途としては、芳香浴やアルコールベースのオードトワレです。オードトワレのレシピはこちらをご覧ください。
ブラックペッパーは、刺激があるのでスキンケアには不向きです。また、レモンは光感作(紫外線に反応して炎症を起こす)を引き起こす光毒性があるので、ベルガプテンフリー(あるいは脱フロクマリン処理)という処理がされているものをオススメします。
◎ ブレンドレシピその2
ほのかに甘く、そしてキリッとした、男性でも違和感なく使える香りです。
プチグレン | 2滴 |
ジュニパーベリー | 1滴 |
フランキンセンス | 1滴 |
ローズマリー | 1滴 |
オススメの使い方は、無水エタノール5ml、精製水20mlにこのブレンドの精油を加えたアロマミストです。リフレッシュしたいときに全身にまとわせるようにお使いください。上記の倍量の精油を加えれば、賦香率2%のオーデコロンとしても使えます。
また、無香料のボディパウダーにこのブレンド精油を添加してシャワー後に使うのも、もう1つのオススメです。