先日、友人とバイト歴について語り合って、意外に盛り上がった。
みなさんもいろいろなバイト歴をお持ちだろうが、個人個人の違いがあり過ぎて面白い。
その日一番ウケたのが、沖縄県人のカオリンという友人の「米俵運び」。
お米屋さんから近所の家に米俵を運ぶという仕事だったらしいが、時給390円だったとのこと!
ブラックなのかのんびりしているのかよくわからん。
「縄文のヴィーナス体型のうちにはなんくるなかったさー」だって。
後に彼女は那覇の国際通りの有名なクラブで、ホステスとしてNo.2まで上り詰めるのだが、米俵を肩に乗っけて汗しているときはそんなの想像もつかなかったと笑っていた。
さて、私の初バイトは神社の巫女だった。
コスプレイヤーなわけではない。
バイト禁止の高校だったので、なんとかツテを捜して、バレなさそうなバイトにありついただけなのだ。
巫女の条件は「茶髪じゃないこと、処女であること」の2つ。
そこは軽々クリアして巫女姿になってせっせとお仕えしていた。
しかし事件は大晦日の深夜から新年の未明に起きた。
私は巫女バイト友達のユウコちゃんと、お札所から出て、本殿の中央、鐘を挟んで特設のお札売り場に左右に配置された。
見下ろすと、目の前は元朝参りでごった返す人人人。
お焚き上げの炎でみんな顔が赤い。
私たちは拝殿の上からお札を売る形になる。そこでせっせとお札を売っていたのだが、ある参拝客に「良い年でありますように」とお札を手渡した瞬間、受け取ったのは高校の担任だった。
しばし沈黙のあと、「御参拝ご苦労様です」とうやうやしく頭を下げたが、担任は「明けましておめでとう」とだけ言って人混みに消えた。
これはやばいぞ、しぼられるぞ、と思い、ビクビクしながら休み明けに登校したのだが、何故かお咎め無しだった。
神様のお陰だったか。
その他には結婚式場神前式挙式担当巫女のバイトもした。
重ね重ね言っておくがコスプレイヤーではないし、巫女縛りがあったわけでもないのだが。
進学のため上京してからはいろいろなバイトを沢山やった。
まともなところでは、オシャレ雑貨屋の店員。ここではギフトラッピングを学んだ。今もちょくちょく役に立つ。
お堅いところでは、クレジットカード会社の信用管理部販売承認課のお仕事。
顧客の買い物がカードで可能かどうか現場と連携して判断するお仕事。
顧客の家族構成やらカードで何を買ったか、支払い状況や信頼度はどうかなど、個人情報ダダ漏れの職場だった。
それが一介のバイトでも閲覧することができたのが怖い。今ではありえないことだ。
時給もよかったので結構長いことやらせてもらった堅気なバイトだ。
あとは、大学のDJクラブ(笑)の関係で渋谷宇田川町の某でかいゲームセンターのDJ、原宿のキディランドのDJもやったりした。
他に怪しいところでは、商品のキャンペーンガールなど。いろいろな商品を路上で紹介したり、配ったりするお仕事。
一番楽しかったのは、テンガロンハットに短パン、ウェスタンブーツでタバコのサンプルを配ったことかな。
ちなみにマルボロです。
重ね重ね言っておくが、コスプレイヤーではありません。
一番ヤバかったのは、テレクラのバイト。
かかってきた電話に出て、片手で漫画を読みながら適当に相づちを打つ。
いやらしい事を言ってくる人もたまにはいるが、私は結局は説教をして終わる係だった。
「それでどうして貴方は白ストッキングに固執するの?」とか詰問しながら、時給は1300円。かなり稼がせてもらった。
時給が良かったといえば、立食パーティー専門のパーティーコンパニオンだ。
政治団体や法曹界などのパーティーに、髪をアップにし、赤いベルベットのマキシ丈のマーメイドスカートに白のフリフリブラウスの洋装か、和服を着てお仕事をする。
飲み物を運んだり、お料理を取り分けたり、お話の相手をしたりで、2時間で8000円。
それを1日に2コマやると、お財布がかなり潤った。
他にもお客様からのお捻りをもらうこともあったし。
パーティーコンパニオンは、転職活動の期間中のおいしいバイトだった。
この仕事では、着物を10分で着ることを学んだ。これものちのち役に立っている。
まあ、あとは、イラストレーターやライターなど、他にもいろいろバイトをして、多様な世界をちょっとだけ見てきた私。
ふと、夫のバイト歴を聞きたくて尋ねたら、
「自分は理系で、夜遅くまで実験ばかりだったから、バイトはしたことないよ」と、実におっとりした答えが!
何ぃ〜⁉
バイトしたことないってどういうことよ!
どんだけ余裕があったんじゃ!と、妙にムカッ腹がたった私なのだ。
バイト歴、面白いよ。
いろんな人に聞いてみよう。
人となりがわかるというか。
深い。