女は月に一度、イライラしたり不安定になったり、泣きたくなったりする。
お腹が痛くなったり、頭痛を起こしたり、全身だるくて動けなくなったりもする。
そして、血を流す。
厄介で、大切なこと、生理だ。
月の運行やホルモンに支配されて日常に支障をきたす、この毎月の訪問者は丁重にもてなさなくてはならない。
その間、私たちはうっかりしたり、失敗したり、ボーッとしたり、実に忙しく、自分のコントロールを失い続ける。
ベッドの中で一日中寝ていたい、がホンネだ。
しかし、この毎月律儀に決まった日にちに訪れていた生理というお客、40代を過ぎてから、突然早く来たり、ひどい時は月に2度来る時もあるようになった。
まったく読めない。
ある日婦人科検診で「2センチの子宮筋腫があります」という医者の言葉で、はっとした。
40代を過ぎれば4人に1人は子宮筋腫を持っているし、すぐに悪性化するものではない、と続けて説明された。
ああ、そんな歳になったんだな、と腑に落ちた。
「女性ホルモン値に異常はないです。ほかに飲んでいる薬はありますか?」
私はもうすでにピークアウトしたウツの治療薬を再発防止のためにまだ飲んでいると医者に告げた。
私の場合、飲み薬と子宮筋腫の影響で生理のリズムが乱れていたのだ。
「生理の時って、そこに落ちているゴミすら拾うのが辛いよね」
そう言った友人は6センチの子宮筋腫を持っている。
私より年上なので、閉経後、自然に小さくなるのを待つらしい。
私たちは毎月血だらけでため息をつきながら、処置をする。
お出掛けの予定に急にぶつかったり、旅行にかぶらないかを心配する。
しかし、生理も悪いことばかりではない。
毎月一定の出血を促すことによって、体内では新しいキレイな血がどんどん造られる(貧血の人は辛いが)。
これがない男性はドロドロ血になりやすい。
そう思うと鉄剤を飲みながらも(私は鉄欠乏性貧血です)なんとなく前向きに生理を受け入れられる。
生理が辛い時、男性を見ては、「こいつドロドロだな」と心の中でつぶやいてみるのだ(笑)。