ふおー、『キングスマン』が観たい!
「JB」ときてジェームスブラウンとかじゃなくてジャック・バウアーですよ!
しかもコリン・ファースがスーツにメガネだし!間違いない!!
あ、私、ブリジッド・ジョーンズからの隠れコリン・ファースたんファンなのです(照)。

・・・と誰も知りたくないカミングアウトをしたところで、映画といえばこの夏は『マッドマックス 怒りのデスロード』を何回も観にいっては推しまくる輩が多かった。
しかも私のまわりのまんなか世代女子達もヒャッハーとか言っちゃって浮かれていた。
・・・気になるじゃないか!

『マッドマックス』(1979)といえば、ジョージ・ミラー監督、メル・ギブソン主演で一世を風靡した伝説的な映画だ。

ちょっとおさらいしておくと、荒廃した近未来を舞台に、異形の荒くれ者たちが改造車でバトルを繰り広げるこの作品は、公開と同時に世界に衝撃を与えた。血と暴力、フリーク趣味、世紀末的なビジョンなどの世界観に影響を受けたクリエイターは数多い。日本では『北斗の拳』が多大な影響を受けていることは有名な話。

その後、『マッドマックス2』(1981)、『マッドマックスサンダードーム』(1985)とシリーズ化され、今年30年ぶりに『マッドマックス 怒りのデスロード』が公開されて大きな話題となったのは、みなさんもご存知のとおり。

監督は70歳を迎えたジョージ・ミラーが変わらずメガホンをとり、マックスは『ダークナイト ライジング』でバットマンの敵役ベインを演じた英国俳優トム・ハーディが演じている。この他、女戦士フェリオサを『モンスター』でアカデミー賞主演女優賞を獲得したシャーリーズ・セロンが。全身白塗りの“ウオーボーイ”ニュークスを『X-MEN』でおなじみのニコラス・ホルトが演じている。
そうそう、ボスキャラのイモータン・ジョーを、『マッドマックス』で暴走族のボス役だったヒュー・キース・バーンが演じていることもオールド・ファンには懐かしいポイントかも。

ただ、30年ぶりの公開といっても、『マッドマックス』はB級おバカ映画である。
もちろんその頭には「偉大な」という形容詞がつくとはいえ、ストーリーに続編を匂わせるような特段の工夫があったわけではない。世界観は「唯一無二」とはいえ、あれ以外にはないというくらい完結している。

要するに、いまさらリブート作品をつくる意味なんてないんじゃないの?
しかもそれを話題作だと大騒ぎしている連中ってなんなの?・・・という感覚だったのだ。
だが・・・。

最初に謝っておきます。
ホントに申し訳ございませんでしたっ!!した――っっ!!
わたくしの認識が間違っておりました。

某日、『マッドマックス 怒りのデスロード』を観に行ってみた。
場所は大人の女たちが集まりそうな有楽町だ。

いやー驚きましたね。

まず映画の出来そのものに。
ジョージ・ミラーはまったく進歩していなかった。相も変わらず血と暴力とフリーク趣味と女と車と……。70歳にもなってこの変わらなさはある意味、尊敬に値する。
加えて昔よりもスケールアップしていた。つまりよりおバカな方向へ圧倒的な進化を遂げていたのだ!

場内に響きわたる爆音とバイオレンスな映像に脳髄を貫かれて、四肢をぴくぴくと痙攣させながらまわりを見渡すと、もうひとつそこには目をみはるような光景が展開されていた。

えええええええ!!!
女ばっかりじゃないか―――!!

そこにはスクリーンで展開される悪趣味極まりない映像に心を奪われた「まんなか世代」と思しきたくさんの女たちがいたのである。

なぜ女たちは『マッドマックス 怒りのデスロード』に中毒症状を示すのか。

その理由を、当サイトで首都圏の4人のマッドな女性たちに訊いてみた。

Q.何回観ましたか?上映形式は2D、3D、4DX、爆音、レイトショーなどのどれでしょうか?

東京マッド、千葉マッド:1回:3D
埼玉マッド : 2D→3D→爆音の計3回
横浜マッド:2Dを2回、爆音を1回のV3です*

*マックスの愛車はV8インターセプター。そのためマッドなファンは映画を観た回数をVでカウントする。

Q.ずばり、どの部分が好きですか?

「CGなしのアクションシーン」をあげるのは千葉マッドさんと埼玉マッドさん。
うん。たしかに圧倒されるわ。イカれてるとしかいいようがないくらいスゴイもんね。
「命を落とした仲間に対して親指を立ててその死を悼むマックスの哀切な表情がたまらない」と語るのは東京マッドさん。
横浜マッドさんにいたっては「マックスとニュークスは全て愛おしい」マッドよのぉ~。

10/21には早くもBlue-ray&DVDがリリースされる。
愚問だと知りつつ、「スクリーンじゃなくても観る価値ありますか?」と聞いてみた。
答えはもちろん「あり」。

Q.女目線からこの手の漢(おとこ)系映画で他にオススメはありますか?

千葉マッドさんは「『マッドマックス2』は言わずもがな」(もういいよ!)、その他は
「筋肉地獄!の『300』、近未来不良達のマッチョな戦い『アルティメット』」。
この手の映画がホント好きなのね。てか懲りないのね。

東京マッドさんは「ありきたりだけど『ターミネーター2』。1では男に守られ、逃げ惑うだけだったヒロインのサラ・コナーが、2では息子を守って戦うたくましい女性に変身している。その設定だけで感動的です」
なるほど!『マッドマックス 怒りのデスロード』で女戦士フェリオサを演じたシャーリーズ・セロンも共通する魅力があるかも。トム・ハーディのマックスを食っちゃってる感もあるし。中毒女子たちは、強い女に惹かれているのかもしれないな。

埼玉マッドさんも「『マッドマックス 怒りのデスロード』はむしろフェミ映画です(女性が活躍します)」と同じようなことを指摘する。
さらに同意。映画では母乳フェチを思わせるシーンや、とらわれた妊婦と花嫁たちとか、女性だけの部族だとか、ジョージ・ミラーの女性崇拝を感じさせる箇所がそこここに見られるものね。

横浜マッドさんのイチオシは『パニッシャー』。
「超能力もマスクもなくて、素顔で悪党を淡々と処刑していく地味なヒーローが、ストーリーも主人公の背景もマッドマックスと似ているのでおススメです」
ちなみに横浜マッドさんによれば、トム・ハーディもパニッシャー役を希望しているとのこと。

『パニッシャー』の映画化権は現在マーベル・スタジオが持っているらしい。
『アベンジャーズ』を中心にマーベル諸作品のシリーズ化に熱心なマーベル・スタジオのこと。今後、何らかの派手な展開が待っているかも。
『マッドマックス 怒りのデスロード』に中毒してしまった「まんなか女子」は今後もその動向を要チェックですぞ!!

*写真は横浜マックスさん作マッドマックス怒りのパラコードブレス。左からマックス色A、マックス色B、チャコール、子供用サイズだそうです。
マッドよのぉ・・・。