これまでに紹介してきたレシピを見直すと、われながら「マンネリだなぁ」と思います(スミマセン)。
何がマンネリなのかというと、材料です。
アロマテラピーなので精油はもちろん使いますが、それ以外だと精製水、精油を溶かすためのアルコール類や植物油といった基材、クリームを作るときに使うミツロウやシアバターなど。レシピの多くは、ほぼこれらが材料になっています。
実際、自分で作るものはほとんどそんな感じです。
毎日使っているスキンローション、フェイシャルオイル、ボディオイル、ヘアオイル、ハンドクリーム、リップバームは、このマンネリな材料で作ったものばかり。気分が乗っているときはもう少し凝ったものを作ることもありますが、ぱっと作って使い始めるのが基本です。裏を返せば、この手軽さがアロマテラピーの良さといえます。
ですが、マンネリな材料でも飽きることはありません。体調や気分、季節に応じて精油の種類をいろいろ変えられるからです。同じスキンローションを作るにしても、肌荒れしているときにはカモミール・ローマン、アンチエイジングをねらうならフランキンセンスといった具合に選択しています。
また、冬は温かみがある香り、夏はさっぱりとした香りにするなど、季節によって種類を変えたり、作るときの「今日はこれだ!」という感覚で決めたり、さまざまです。
こんな感じで作っているので、自分としてはマンネリ感がないのです。
日常づかいのハンドクリームやローションですが、マンネリ材料と精油のバリエーションで幾とおりもレシピがうまれています。
ということで、春らしい明るさを感じるブレンドでハンドクリームを作りました。今回は、自分が使うのと人におすそわけの分なので多めの量を作りました。一人分なら、この半分の量が作りやすいでしょう。
◎ リンデンとオレンジスイートのハンドクリーム
ミツロウ | 7g |
シアナッツオイル(またはシアバター) | 3g |
スイートアーモンドオイル | 50ml |
リンデン・アブソリュート精油 | 4滴 |
オレンジスイート精油 | 6滴 |
①ミツロウ、シアナッツオイル、スイートアーモンドオイルを耐熱容器に入れ、湯煎にかけます。
②自然に溶けてきたら、ときどき軽くかき混ぜます。
③完全に溶けたら、リンデン、オレンジの順に精油を加えて混ぜます。
④保存用の容器に移すと、容器の内側からうっすらと固まってきます。フタをして、そのまま固まるまで置いておきます。
このレシピのコツは2つ。
②で湯煎にかけている間、かき回し続ける必要はありません。ある程度放っておくほうがうまくいきます。
また③では、最初にリンデン、次にオレンジを加えます。リンデンの精油は粘度が高いので、1滴出てくるまでにしばらく時間がかかります。ドロッパーから落ちる間際まで耐熱容器を湯煎しておくと、基材が固まらずに精油がムラなく混ざります。
さて、このレシピで使用したリンデンは、資源が少なくなっているため今では貴重な精油です。私も長い間、いろいろなところで探していて、ようやく手に入れることができました。甘いお菓子と花を合わせたなかに、ごくわずかにスッとした香りがします。初めてこの香りを嗅いだときに「この精油がほしい!」と思ったくらい気に入りました。
これに合わせたのがオレンジスイート。以前、リンデンにネロリを合わせてハンドクリームを作ったことがあるのですが、全体的に甘すぎて自分の好みどおりになりませんでした。もう少しフレッシュさをプラスしたほうがいいな、と思って今回はオレンジを選びました。レモンも合うと思います。
今回は、いつもどおりのマンネリ材料でも精油の種類でバリエーション豊かになることを力説しました。日常づかいのアイテムも、ブレンドを決めるまでにあれこれと悩む楽しさもまたアロマテラピーの魅力ですね。