アロマテラピーの魅力の1つは、自分だけの手作り化粧品を作れること。必要なときにいつでもできて、しかも安い。そして、自分で作るから材料がわかる安心感もあります。ローション、ヘアトニック、香水など、たいていは水と無水エタノールがあればできます。今回は、スキンケア向きの精油を使ったローションをご紹介します。ほんのり甘くやさしい香りのする、肌も心も癒やされるブレンドです。

レシピ

精製水 15ml
無水エタノール 2〜3ml(小さじ1/2くらい)
精油
ラベンダー
ゼラニウム
カモミール・ローマン
2滴
1滴
1滴
グリセリン 豆さじ1(なければ、小指の爪くらいを目安に)
容量20mlのボトルビーカー

① 無水エタノール2〜3mlを計ってビーカーに入れ、グリセリンを加えてよく混ぜて溶かします。
② ①をボトルに移し、ボトルに精油を入れて軽く振って混ぜます。
③ ②に精製水を加えます。ビーカーで計らずに、ボトルからあふれないくらいまで直接注ぐと簡単です。
④ フタを閉めてよく振って、全体をなじませます。

使う前によく振ってください。冷暗所で保存し、2〜3週間以内で使い切るようにします。

ご覧のとおり、エアーフレッシュナーの材料にグリセリンをプラスするだけ。これで保湿性の高いローションになります。精製水、無水エタノール、グリセリンは精油を希釈するために使う基材です。アロマテラピーでは、精油をスキンケアやボディケアに使用するときは必ず基材で希釈します(原液での使用はしません)。精油には水になじみにくく、油になじみやすい性質があるため、水と精油をつなげるために無水エタノールが必要になります。

化粧品を作るときに大切なのが希釈濃度です。フェイス用は0.5%以下、ボディ用は1%以下を目安にしてください(今回のローションは1%です)。最初は薄めの濃度から試してみるとよいでしょう。敏感肌の人やアレルギー体質の人は、パッチテストを行ってから使うことをおすすめします。

精油のボトルから出る1滴は0.05mlと覚えておくとよいでしょう。1滴に対して1%の濃度にするには5mlの基材で希釈します。同様に、10mlなら2滴、20mlなら4滴……。ですが、これが結構面倒なのです。そこで覚えておくと便利なのが「×5と÷5の計算方法」です。「×5」は、精油の滴数が決まっていて、全体量を求める方法です。「÷5」は、作りたいものの全体量が決まっている場合に精油を何滴入れるかを求める方法です。

たとえば、全体量20mlのローションを希釈濃度1%で作りたい場合は、20[ml] ÷ 5 = 4[滴]です。もし0.5%にしたければ、4[滴] ÷ 2 = 2[滴]です。

精油の滴数は、この計算の限りではなく、香りや刺激の強さなどによって調節したほうがいい場合もあります。最初のうちは、少量を薄めに作ると失敗が少ないと思います。慣れてくると自分にとって心地よい濃度がわかってくると思いますので、徐々に濃度を調整するとよいでしょう。

手作り化粧品のよさは、目的に応じて精油や基材の種類を自在に変えられること。今回はスキンケア向きにラベンダーとゼラニウムを使いましたが、パルマローザ、フランキンセンスもスキンケアにおすすめです。ネロリ、ローズ、ジャスミンは高価でなかなか使う勇気が出ませんが、1滴入れるだけで十分です。

精油のプロフィール

今回は、スキンケアでは定番の精油を使いました。

・ラベンダー —— 刺激が少なく安全で、幅広い作用を持つ便利な精油。ホッとするやさしい香りはリラックス効果抜群で、就寝時の芳香浴やアロマバスにも適している。細胞成長促進作用と消毒殺菌作用にも優れる。

・ゼラニウム —— 香りをかぐだけでホルモンバランスが整うといわれる、女性にとって強い味方の精油。バラのような甘い香りは、華やいだ気分をもたらすと同時に心を落ち着かせる。皮脂バランスや水分バランス(むくみ解消)の調整作用を持つ。

・カモミール・ローマン —— 青リンゴのような香りが特徴。香りが強いので他の精油とブレンドするのがおすすめ。肌荒れや胃腸の不調など、ストレスが原因の症状を緩和する。作用が穏やかで子供にも使いやすい。コラーゲン産生促進作用があり、スキンケアには欠かせない精油。キク科なので、キクアレルギーの場合は注意。

 

パッチテストについて

作ったスキンローションを二の腕の内側など皮膚の柔らかい部分に塗り、そのまま1〜2時間ほど放置して肌の状態を観察します。赤くなったり、かゆくなったりするなどの反応や違和感がある場合は使用を中止してください。スキンケアに使えなくなった精油は芳香浴に利用できます。