はじめまして。このコラム欄を担当することになった、44歳、やっとこすっとこ「女」を保っている隠居女です。
私は、東京から比較的近い田舎に住んでおります。田舎育ち→上京(進学&就職)→田舎に帰る、というような経緯で現在に至ります。この年になれば酸いも甘いも大病もひととおり味わっています(笑)。みなさんとだいたい同じ時代を駆け抜けた者として、楽しくよしなし事を書いていければいいなぁと思っております。

ところで、最近の私は、自分のボディーラインについてよく考えます。夏で露出が大きくいろんなところが気になりますからね。二の腕。下っ腹…。
思うに私達の頭の中には、メスとして最高のプロポーションを保っていた頃、つまり20歳から20代半ばまでのボディイメージが頭に深く刻み込まれているので、鏡の前で現実の自分を見た時にそのギャップに愕然とするんですね。
「あんなにくびれていたのに何じゃこりゃあ〜」と。鏡の中にいるのはマシュマロマンなわけですよ。

それで一色置き換えダイエットとか痩せるサプリとか食べたり飲んだりしても、結局は筋肉が落ちただけなのに「やったぁ、痩せたぁ」とか言ってまたリバウンドするわけです。
まぁ、代謝も落ちる年齢なので痩せないこと山の如しなんです。

最近パリの超有名メゾンの広告が、モデルが痩せ過ぎということでおじゃんにされました。それを聞いて「もっと女性らしい柔らかなボディーラインでいいんだぁ」などと、とんだ勘違いもしてしまいます。そして体重計に乗るたびに一喜一憂している自分にも飽きてきて、これが自然なボディーラインじゃないのかと錯覚さえするのです。
自分をヴィーナスの誕生みたい、とか恥ずかしげもなく思ったりしています。

そこへふいに東京で働いていたころの男友達から「仕事で近くに行くついでに久しぶりにお茶しない?」と連絡がきます。すると自分でもちょっと会うのはやばいなと狼狽するわけです。だって、私は隠居オンナ、あごひげもさわさわ生えているオンナなのです。男友達、と濁しましたがぶっちゃけ元カレです。
彼の中では、私のイメージは昔のまま。素敵にキラキラしている若い私がいるのです。そして私はそのイメージを壊さないように、もっともらしい言い訳をいくつか探して会う危機を回避するのです。

悲しきマシュマロマン。

いまだ地味にダイエットは続けております。母に「もう作務衣着てあごひげ生やしちゃえ」とからかわれながら。