アロマテラピーは、植物の香り成分がぎゅっと詰まっている「精油」を使って美と健康の維持・促進や病気の予防に役立つ植物療法です。アロマテラピーになじみがなくても、花の香りで明るい気持ちになったり、森林浴で心身共にリフレッシュしたりした経験は誰しもあるでしょう。自然の花や草木の代わりに心身を癒やしてくれるのが精油です。精油さえ手元にあれば、いつでもどこでも気軽にアロマテラピーを楽しめます。とりわけ最も簡単にできるのは「芳香浴」です。

芳香浴にはいろいろなやり方がありますが、すぐにでもできるのはマグカップを使った方法です。
まず、マグカップにお湯を入れて、その中に精油を1〜3滴入れます。入れる滴数は、部屋の広さや精油そのものの香りの強さによって調節してみてください。最初は1滴だけにしておくのがベターです。

お湯に精油を滴下したら目を閉じて、蒸気と共に立ち昇る香りを堪能しましょう。深呼吸するごとに、香りが心と体へ働きかけてくれるのを感じるはずです。

精油は揮発性の芳香物質なので、時間の経過に伴って香りも薄らいでいきます。もし、もう少し香りをかいでいたいときは、まずはお湯だけを足してみてください。これだけでも案外、香りが持ち直します。それでも香りが不十分だと感じるときは精油を1滴ずつ足してみてください。

香りを十分に堪能したら、「自分の状態がどのように変化したか」、「今、どんな気分なのか」を感じてみましょう。香りを楽しみながら今の自分と向き合う、そんな贅沢な時間を1日5分持つだけで、生活の質がぐんとアップします。

朝の芳香浴は、1日を気持ちよくスタートする助けになります。夜の芳香浴は、熟睡へと誘ってくれます。一般に、朝はすっきりとしたペパーミントやローズマリー、レモン、夜はラベンダー、オレンジ、フランキンセンスのように安らぐ香りの精油がおすすめですが、自分がそのときに心地よいと感じる香りを選ぶことが肝心です。

マグカップのお湯に滴下する方法のほかにも、ティッシュペーパーやコットンパフに精油を垂らして香りを嗅ぐ方法もあります。これをハンカチに挟んで持ち歩けば、外出先でも手軽に芳香浴を楽しむことができます。

精油使用時の注意

精油は飲用できません。マグカップの中身を間違って飲まないように注意してください。また、ペットや幼児の手が届かないところに置くようにしてください。誤飲した場合は、口内に残っている分は水でよくすすぎ、飲み込んでしまった分は吐き出さずに医師を受診してください。