普段食べる果物の中でもポピュラーなグレープフルーツ。さわやかでフルーティな甘さとわずかに苦みのある香りが特徴で、気分をリフレッシュさせるとともに、気持ちを明るく前向きにしてくれます。今回は、グレープフルーツを中心にしたオイルベースのフレグランスを作ります。
グレープフルーツの精油は果皮から採取します。果皮には「油嚢(ゆのう)」または「油房」と呼ばれる細胞があり、その中に芳香成分が蓄えられています。精油を取り出すときは、果実を圧搾して、遠心分離することによって水分と油分に分けます。この方法を「圧搾法」といいます。グレープフルーツだけでなく、レモンやオレンジ、ベルガモットなどの精油もこの方法で採取します(柚子は、圧搾法のほかに水蒸気蒸留法で採取したものもあります)。
みなさんもレモンを搾ったときに、手にうっすらと油分と香りが残るという経験はありますよね? ワックスが塗られている場合は別として、手に残った油分、これが油嚢に含まれている精油成分です。レモンを絞るとき、普通は断面を縦向きあるいは下向きにしてぎゅっと絞ることが多いと思いますが、断面を上向き気味、皮を下向き気味にして絞ると、飛散した香り成分が果汁とともに落ち、香り高いジュースになります。
柑橘系の精油は、分子量が少ないため揮発しやすく、アロマテラピーの香水作りでは「トップノート」として香りの第一印象を演出してくれます。また、フローラル、ハーバル、ウッディ、オリエンタルなど、いろいろな系統の香りとの相性もいいので、フレグランス作りには欠かせません。
精油だけで作る100%天然成分のフレグランスは、つけるとふんわりと香るのが特徴です。市販の香水に比べると持続性や強さは劣るかもしれませんが、やさしい香りが好きな方にはぜひ試していただきたいです。また、今回はアルコールではなくホホバオイルをベースにしますので、ツンとしたアルコール臭がなく、肌にもやさしいフレグランスです。もちろん、ホホバオイルの代わりに同量の無水エタノールを使ってもOKです。
女性向けと男性向けに、グレープフルーツが主役のブレンド2種をご紹介します。女性向けのほうは、グレープフルーツの香りが大好きだという友達の誕生日プレゼントとして作りました。男性向けは、グレープフルーツの少し苦みの感じられる香りを生かし、きりっとしたお酒を思わせるイメージで作りました。
◎ オイルベースのフレグランスのレシピ
ホホバオイル | 10ml | ||
精油(ブレンドレシピ参照) | |||
ガラス製ロールオン容器 |
① ホホバオイルを計量してビーカーに入れます。
② 精油を加えて混ぜます。
③ ロールオン容器に移します。
◎ 女性向けのブレンドレシピ
さわやかでフルーティな第一印象、そしてスーッと染み通るような落ち着きと緑を思わせる香りです。甘さだけでなく落ち着いた大人の女性のイメージです。
グレープフルーツ精油 | 9滴 | ||
フランキンセンス精油 | 5滴 | ||
レモン精油 | 5滴 | ||
ローズマリー精油 | 4滴 | ||
ペパーミント精油 | 2滴 |
◎ 男性向けのブレンドレシピ
第一印象ではグレープフルーツの甘さとユーカリラジアータのシャープさを同時に感じ、そしてほろ苦さとキリリとしたスパイシーさが追いかけてくる、そんな香りです。レモングラス、ブラックペッパー、ユーカリラジアータなど、皮膚刺激を起こす可能性のある精油を使っているので刺激を感じた場合は使用を中止してください。
グレープフルーツ精油 | 5滴 | ||
ブラックペッパー | 3滴 | ||
ローレル | 3滴 | ||
レモングラス | 2滴 | ||
シダーウッド | 2滴 | ||
ユーカリラジアータ | 1滴 |
使うときは、手首や胸元、足首や膝の裏など、香りが立つ場所にクルクルッと塗ります。
フレグランス用のレシピですので、いずれも希釈濃度が高めです。フェイスやボディのマッサージなどには使わないようにしてください。
ロールオン容器は液漏れしにくいので持ち歩きにも便利です。ちょっと気分転換したいときにぴったりのグレープフルーツの香りをぜひ楽しんでみてください。クリスマスプレゼントにもいいですね。