今回も「芳香蒸留水」がテーマです。
アロマテラピーの専門誌に芳香蒸留水の簡易的な作り方が載っていたので、興味本位でペパーミントのドライハーブを使って自作してみました。といっても、キッチンで超簡易的な水蒸気蒸留法を再現しただけのことで、こんな物好きは私くらいでしょう(笑)。
そのときの様子と出来上がりは、こんな感じ。
蒸し器にハーブを敷き詰めてフタをする。フタの上には水蒸気を冷却するための保冷剤を置く。およそ30分蒸していくと、真ん中に置いた器の中に水蒸気が落ちて集まり、芳香蒸留水の出来上がり。
出来上がりは、ハーブ400gに対して40ml。歩留まり悪し。
ご覧のとおり、ドライハーブが大量に必要です。このときは400g使い、出来上がりはわずか40ml程度。しかもドライハーブで400gということは、生のハーブだともっと量が必要ということになり、歩留まりが悪いです。芳香蒸留水や精油を採るためには、大量の素材が必要だから高価だとあらためて感じました。
ところで、このペパーミント芳香蒸留水を味見したところ、ハーブティーよりも想像以上に刺激的でした。香りだけ嗅いだときは、「もしかすると、食用のフレーバーとして使えるかも?」などと思いましたが、味はちょっと強すぎました。
さて、精油と芳香蒸留水では、成分が似通っているものとまったく違うものがあります。成分が似通っているものは、たとえばジャーマンカモミール、ティートリー、ネロリ、パルマローザ、ペパーミント、ユーカリグロブロス、レモンバーベナ、ローズゼラニウムなど。成分が異なるものは、セントジョンズワート、ユーカリラジアータ、ラベンダー、ローマンカモミール、ローズ、ユズなどです。成分が違うと作用も変わってきますので、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
今回は、芳香蒸留水を使ったローションのレシピをご紹介します。芳香蒸留水そのものだけでもローションになりますが、精油を加えるとまた違った香りの組み合わせを楽しむことができます。
◎ ローション(60ml)
リンデンウォーター | 20ml |
精製水 | 35ml |
無水エタノール | 5ml |
パチュリ精油 | 1滴 |
フランキンセンス精油 | 2滴 |
フラゴニア精油 | 2滴 |
遮光瓶に計量した無水エタノールを入れ、精油を加えて軽く振ります。リンデンウォーターと精製水を加え、使う前によく振ります。冷蔵庫で保存。1ヶ月以内に使い切りましょう。
リンデンの甘い香りにパチュリとフランキンセンスでしっとりと落ち着いた香りをプラス。フラゴニアにも独特な甘さがあるので好き嫌いが分かれるかもしれませんが、全体的に落ち着きのある香りに仕上がります。
※参考:『aromatopia』(フレグランスジャーナル社)vol.23