私のお姉ちゃん
「ちょっとぉ〜聞いてよ!さっきコンビニで痴漢にあっちゃった!腹立つ〜!」と怒りながらケーキを素手で食べるオンナ。
私の姉である。
齢、47歳。
「会社の年下の男の子2人に言い寄られててさー、1人は本気で、1人はドライブ行きましょうってしつこいの。若い子は怖いものなしだよね〜」と迷惑そうに話すオンナ。
私の姉である。
齢、47歳。
姉は高校時代、地元でアイドル扱いだった。
ちょっとヤンキーテイストが入った感じにクリクリお目目。
強がっているけれど男が守ってあげたくなるタイプ。
その実、カゲ番だった。
(そのせいで私はよくとばっちりを受けていた。超迷惑だった、笑)。
要するに姉はモテモテだった。
妹の私とは全く違うタイプだ。
高校でモテモテの姉と、中学変態期のオタク妹とのコントラストは実に鮮やかだった。
しかし姉は、次第にヤンキーテイストが濃くなっていったので、妹の私はそれを見て、かなり引いていた。
姉が夜な夜な家を抜け出して、仲間とワイワイやっている頃、私はMTVをテレビからラジカセに録音している、みたいな、姉妹間落差。
時が経って、数々の男遍歴を経て、現在彼女はバツ2の子持ち。
「私に足りなかったのは男を見る目ね!」とやっと結論に至りながらも、彼女は開き直っている。
姉はJA系で事務として働いているのだが、相変わらず今日も職場に納品しにくる農家のおじさん、おじいさんにモテている。
おしりや胸を触られても軽くいなしているのが日常だ。
何故姉は男受けするのか?
ちょっと考えてみた。
まず顔がアイドル顔である。
ただ少し鼻が高いので、ツンとした雰囲気も醸す。
小泉今日子や中山美穂がちょいちょい入っているのだ。
そして、身長が156センチと小さめなところが重要だ。
身長166センチの私とは世間の捉え方も違うし、周りからの対処のされ方も違う。
そう、怒っていても毒づいていても、小さいから可愛いく見えるのだ。
ちなみに私が怒っているとただの仁王様扱いである。
それと、性格が、勝気で姉御肌のように見えるのに、その実いろんなところが抜けている。
これが男性にはスキに見えるのだろう。
背が小さいから相手には常に上目遣いができるし、わりと胸が開いた服を着ているのでセクシーに映る。
洋服に対してこだわりがないのも親しみを感じさせる要素かもしれない。
ここまで姉のことを書いてきて、自分がほんとに正反対だと客観視できて少しブルー。
要するに姉は、女力が高いのである。
この調子でお金持ちのおじいさんでもひっかけてほしいものだ。
すでにお気づきかと思うが、姉と私では性格もかなり違う。
だから、言い争いやケンカの時は龍虎相まみえる図の如くだ。
姉は口も達者だ。
しかし最終的には武力行使で私が勝つのだが。
とにかく姉は、美しき諍い女なのだ。
このまま何歳まで現役感を出していくのかが気になるところだ。
いろいろと厄介な存在の姉だが、女という生き物を全うしてほしいな、せっかくだから、と思う。
私は先に一抜けするけどね。