香水は、いろいろな香りの素材を組み合わせて作られています。アロマテラピーの場合は、天然素材である精油を組み合わせて作ります。市販の香水には、人工的に作られた合成香料も使われています。どちらの場合も、いくつもの素材が組み合わさることで香りの奥行き、複雑さ、時間の経過に伴う変化を演出します。

今回ご紹介する精油は、香水作りには欠かせない「パチュリ」です。アロマテラピーの香水作りではベースノートとして使います。最後まで残る香りとして、そしてほかの香りを長時間保つ役割として欠かせない精油の1つです。パチュリの香りは人工的に合成することができないらしく、世界の香水業界はパチュリの奪い合いをしているという話も聞いたことがあります。

香りの印象は、一言でいうと「墨汁」。単体ではあまり魅力を感じられないかもしれませんが、落ち着きのあるその香りは、ブレンド次第ですばらしい表情を見せてくれるだけでなく、独特の奥行きと複雑さを与えてくれます。「落ち着き」というと、ベチバーのように土や根を想起させる香りもありますが、パチュリはどちらかというと山奥に流れる源流の澄んだ水のような印象です。

不安になったときや、なんとなく気持ちがふさがりがちなとき、実際にこの香りを嗅いでみると、不思議と心が落ち着いていくのを感じます。ベチバーのように地に足が着くイメージとは違って、頭をクリアにしながら頭と心を調えてくれる、そんな香りです。

身体面では肌荒れや皮膚の炎症によいので、今のような乾燥する季節のハンドクリームに向いています。また防虫効果もあるため、サシェを作ってクローゼットに入れておくのもいいですね。

今回は、パチュリをベースにして、異なる印象のブレンドレシピ3種を考えました(カッコ内は割合)。

a. 「気品」
パチュリ+ネロリ+カルダモン(1:2:1)
b. 「クリエイティビティ」
パチュリ+ライム+ローズマリー(1:2:1)
c. 「インパクト」
パチュリ+イランイラン+ホーリーフ(2:1:1)

用途としては、いずれもソリッドパフューム(練り香)やオーデコロンにおすすめです。a.のブレンドはローション、b.はアロマミストにも。

長い時間香る精油なので、アロマバスにはあまりおすすめしません(お好みによりますが…)。翌日もなんとなく墨汁の匂いが残ってしまいます。

・練り香の作り方はこちら → 香りで心を動かす「大好きな香りで作る練り香」
・ローションの作り方はこちら → 精油 × 水 × 基材「自由自在にローション作り」

◎ パチュリのプロフィール

一般名 パチュリ
学名 Pogostemon cablin
科名 シソ科
抽出部位 葉
抽出方法 水蒸気蒸留法
主な産地 インド、インドネシア
主な作用 鎮静、抗うつ、抗炎症、収れん、防虫